ガラスについて

ガラスの引張り強度は純アルミニウムと同じくらいあります。圧縮強度はその18倍ほどもあります。
そんなガラスですが、何故割れてしまうのでしょうか?

物を曲げて元に戻る変形は弾性変形、元に戻らず曲がったままになる変形は塑性変形といいます。
ガラスは硬いですが、ほとんど塑性変形しません、そのため極僅かな傷から壊れてしまいます。

金属などは両側から引っ張っていくと、延びてからちぎれる延性材料です。
対してガラスを両側から引っ張っていくと、ほぼ変形せずに亀裂が生じ一気に破壊されてしまう脆性材料です。

ガラスは硬いけれど脆い材質です。引張り応力により破損します。割れの主な原因は次の三点があります。


牛乳びん同士を当てるとどうなるでしょうか。

  • 横向きのびんに高さ5cmから落とすと丸く傷がつきました。さらに高いところから落とすとひびが入ってしまいました。
  • 高さ5cmから落とすと丸く傷が付きます。
  • 高さ10cmから落とした程度でも当たったところが割れてしまいます。

[ガン!]と強くなく[カン!]と当てた程度でも傷が付いたり割れたりする場合があります。何故衝撃で割れてしまうのでしょうか?


ガラスに物が当たるとたわみが生じ、当たった面には圧縮応力が働きます。ですがこの圧縮応力は直接割れる原因にはなりません。反対側に生じる引張応力が割れる原因です。

強化ガラスは表面に常に圧縮応力がかかるように作られたガラスで、引張り応力に対抗するため通常のガラスより割れにくくなっています。

温度変化があると物質は伸縮します。鉄道の線路(25m)は冬と夏で1cmくらい長さが変わるほどです。

ガラスは熱伝導率が非常に低い(熱が伝わりにくい)という性質があります。
熱いお湯を入れたりして急激な温度変化(熱衝撃)があると、熱い部分と冷たい部分がわかれてしまい伸び縮みの差(熱応力)から割れてしまいます。


熱された部分は伸びようとして圧縮応力がかかり、反対の面はそのままでいようとして引っ張られ引張応力がかかります。引張応力に弱いのでそこから亀裂が入り割れてしまいます。
図の反対に熱いガラスを水等で急冷すると縮もうとして表面に引張応力がかかるので、加熱する場合より割れやすいです。均一に徐々に熱したり、冷ましたりすれば割れません。
耐熱ガラスは熱膨張率を低くして熱応力で割れないようにしています。金属は熱伝導率が高く、延性も高いのでお湯を入れた程度の熱衝撃では割れたりしません。

新品の牛乳びんにお湯を入れても割れませんが、使用して傷のついたものに入れると割れてしまいます。牛乳びんには熱湯をいれないようにしてください。

当たり傷や深めの擦り傷が付いた状態のびんは非常に弱くなっています。引張応力が傷の部分に集中し、軽く当たった程度でも傷の部分からひびが入ったり割れてしまいます。
びんの外側についた傷よりも内側についた傷のほうが致命的です。前記の通り、ぶつかった反対側(びんの内側)に引張り応力がかかるため、傷の部分から簡単に割れてしまいます。

  • 牛乳を飲み終わったあと、片付けるときに投げ入れたりすると傷が入ったり、割れてしまいます。他のびんに当てないように戻してください。
  • 牛乳びんを運ぶ際はびん同士が当たるような入れ方、運び方をしないようにお願いします。
  • 牛乳びんを洗う場合は傷が付く金属製ブラシ、タワシなどを使わず、水、ぬるま湯で中を洗い流す程度にしてください。工場で再充填されるまえにしっかりと洗浄、殺菌されます。

何度も使える丈夫な牛乳びんも割れたり、傷が付くと使えなくなってしまいます、なるべく優しく扱ってくださいね。
使えなくなってしまったびんもまた再資源化されます。3R